連載「uncommon life」16、17、
短編小話「blazing sparks4」を更新しました。
「blazing sparks」はこれで終わりです。
おまけのページ、話数が多くなってきたので、
設定がわかるようにしてみたんですが……。
"片付けられない人間"としては、分類は大の苦手ですっ^^;
では、以下から連載の合間のお話&その他、です!
□つづき□
※「uncommon life」13の合間
チョコレートごと食べてしまうような勢いで、高耶は舌を貪った。
直江のほうも、引き寄せた腰ごと持ち上げて強引に壁際へ押しやると、力の手加減なしで身体を押さえつける。
せっかくの高級菓子が箱ごと地面に落ちても、ふたりとも見向きもしなかった。
「白状したらどうです」
高耶の顎を掴んだ直江は、返事を待たずに唇を寄せて口内を舌でかきまわす。
「ンンッ────ッ……!」
「────わざとでしょう?」
「……何の話だ」
田所が見ているとわかっていてこんなことをしたのだろうと、直江は言った。
「他人と親しくされるのが嫌?」
着衣を捲りあげて高耶の上半身を露にすると、そこにある突起を舌で弄る。
「ッ────くッ……!」
「会うたびに睨み付けたりして。怖がっていましたよ」
「………そんなこと、するわけない……っ」
熱い息を吐き出しながら直江の髪を掴んだ高耶は、そのまま頭を引っぱり上げると、瞳も閉じずに噛み付いた。
「んッ……んッ……ンンッ────ッはァ……っ」
「うそつき」
当たり前のように下半身に触れてくる直江の手に、高耶の身体は上気してしなる。
「アア……ッ!うぬぼれるのも……大概にしろ……ッ」
そう言いながら、直江のベルトをもどかしそうに引っ張った。
□ □ □
※「uncommon life」15の後
仮眠室の扉を開けると、直江は横になっているだけで眠ってはいなかった。
「高耶さん」
すぐに身体を起こそうとするから、それを制してベッドに膝をつく。
そのまま、直江に被さるようにして高耶も横になった。
「────どうかしました?」
胸に顔をつけて目を閉じていると、大きな掌が頭に乗せられて、伺うように顎の方へ滑ってくる。
「────……」
しばらくされるがままになっていた高耶だったが、動いていた手が首元へと落ち着くと、それをどかして上体を起こした。
目の前には、よく見慣れた顔。
この顔が持つたくさんの表情を誰よりも多く見てきたし、自分もまた、様々な表情を何よりも多くこの鳶色に映してきた。
それなのに。
(まだ欲しいのか、オレは)
ゆっくりと顔を近づけて、静かに唇を重ねた。
(………オレのものだ)
鎖は、壊したはずなのに。
重くて、痛くて、美しくて、官能的で、完全だった鎖。
あの鎖はもういらない。
自分はこの男をちゃんと信用できてる。不安なんてない。
なのに時々、この男はオレのものだと周囲に誇示したくなるのは何故なのだろう。
高耶の口付けに反応したらしく、直江は唇を離すと身体の上下を入れ替えた。
重い身体に圧し掛かれながら、高耶は問いかける。
「おまえは、誰のものだ」
一瞬、目を見開いた直江だったが、すぐに微笑を浮かべた。
「あなたのものですよ」
望みどおりの言葉が、心を満たしていく。
「もっと、言えよ」
「………全部、あなたのものだ」
耳の近くを這う感触に身体を震わせながら、高耶は再び瞳を閉じた。
第三者目線ばかりだったので、当事者目線がちょっとうれしかったり♪
そして以下からは、なんとなくの気分で書いたものです。
日の出時間も、少しずつ早くなる。
先程まで朝焼けを眺めていた高耶を、今は目に痛いくらいの陽光が照らしていた。
「あなたは太陽がよく似合う」
夏に生まれたせいだろうか。
陽に当たるのは好きだ、と高耶は言った。
今は冬の名残りのような肌をしているが、きっと夏になれば綺麗な小麦の色になるだろう。
でも、とその肌に触れながら思う。
まだ少し、季節が早い。
直江は、着衣をつけていない高耶の肩から、毛布をかけてやった。
□ □ □
何でそんな話になったのかわからない。
けど潮はこう言った。
「俺はやっぱ海だな。なんてったって"潮"だし」
すると兵頭が言った。
「隊長は山が好きじゃと言うちょりましたね」
「……ああ」
対抗するように潮が声を大きくする。
「俺も山は好きだぜ?じゃなきゃバックパッカーなんてやってないし」
鼻で笑った兵頭相手に、潮が更に突っかかっていって、高耶そっちのけで騒ぎ出す。
その横から、直江が視線を送ってきた。
「何だ」
「まあ、長野育ちですからね」
「まわりは山ばっかの田舎もんって言いたいんだろ。じゃあ何だ。お前は餃子か」
「栃木も内陸県なんですけどね」
それでも私は海が好きです、と直江は言った。
「海にはあなたとの思い出がたくさんありますから」
「……山にだってある」
言い張る高耶に、直江は微笑った。
こういう特に意味のない話は、書いてて癒されますねえ♪