書きあがり次第、更新しますよ!というお知らせと、
あとあと、拍手のお礼を~~~><!
疲れて家に帰った時などに、暖かいコメントを頂いたりすると、
うっとなります;;本当に、ありがとうございますm(_ _)m
マイペースで本当に申し訳ないですが、
これからもお付き合い頂けたら幸いですm(_ _)m
ではでは、原作初期の雰囲気で!
□つづき□
「はぁ~~~」
大きなため息をついて、高耶はベッドへ飛び込んだ。
「お疲れさまでした」
今日は1日、調査とかいって東京中を連れまわされた。
部屋に戻ったら、スポーツニュース観て、風呂入って、ビール飲んで、とか色々考えていたのに、飛びこんでしまったベッドに身体がぴったりくっついて離れない。
電話をかけてくると言って部屋を出て行った直江が戻ってきて、
「兄がこちらへ来ているようなので、少し会ってきますね」
そう言ったが、眠すぎて答えるのもめんどくさい。
「聞いてるんでしょう?ほら、上着くらい脱いで」
「ん~~~~」
むずがる子供みたいな声を出しながら上着を直江に剥ぎ取られ、布団の中へ逃げ込むと、あっという間に意識が遠のいた。
□ □ □
夢の中で自分は父親とふたりきりだった。
自分はまだ小さく、父親からはアルコールの匂いがする。
(殴られる)
そう思いながら身を硬くしていると、手を伸ばしてきた父親は、自分の頭を撫で、ぎゅっと抱きしめてくれた。
驚きと幸福感で、胸がいっぱいになる。
父親はきっと、昔の優しい父親に戻ったのだ。
早く妹に教えてあげなくちゃ。
もしかしたら、出て行ってしまった母親も、戻ってきてくれるかもしれない………。
□ □ □
徐々に意識が覚醒していく。
瞼が重すぎて、まだ眼は開けられない。
アルコールの匂いが、リアルに鼻孔に残っている。
何て夢をみたのだと思いながら、寝がえりを打とうとして、
(………ん?)
身動きが取れないことに気付いた。布団がやけに重い。
自体を把握しようとして眼を開けたら───目の前に、直江の寝顔があった。
「……………」
思いがけない事態に、思考がストップする。
アルコールの匂いは、どうやら直江からしていたようだ。
高耶の隣に横たわっている直江は、高耶の身体を布団の上から抱き締めるようにして寝ている。
(酔っぱらって、ベッドを間違えた?)
まさか、直江みたいな男が?そんなミスをする?
まあ何にせよ、どいてもらいたい。身体の腕に乗っかった腕はとっても重い。
………しかしその重みには、何とも言えない安心感があった。
目の前で眠っているこの男は、命を投げ打ってでも高耶を護ってくれる男だ。
そんな男の腕の中は、幼い頃抱かれた父親の腕の中にとてもよく似ていた。
□ □ □
「ん………」
直江の顔がわずかに歪んで、ぱち、と眼が開いた。
「─────!?高耶さんっ!?」
急いで起き上がった直江の慌てっぷりに、高耶は思わずぷっと吹き出した。
「おはよう」
そう言いながら、けらけらと笑う。
直江は焦った顔で、部屋の明かりをつけた。
「私は───いったい何を………?」
「たぶん兄貴に飲まされたんだろ?めずらしいな、おまえが酔っぱらうなんて」
「………ああ、そうですね……部屋に戻ったところまでは覚えているのですが……」
本当にすみませんと謝ってくる直江に、高耶は笑った。
「べつに、謝られるようなことはされてねーよ」
「そうですか………?───ちょっと、酔いを醒ましてきますね」
「おう」
「起こしてしまって、すみませんでした」
そう言って直江は、高耶が再び眠れるように部屋の電気を消すと洗面所へ入って行った。じきに、シャワーの音が聞こえてくる。
高耶がもう一度布団に入ってうとうとし始めたところで、直江は部屋に戻って来た。
暗闇の中で、直江がもうひとつのベッドの中へと入る気配がする。
ふたつのベッドの距離は、1メートルもない。離れているとは、決して言えない。
けれどさっきまであまりに間近にいたせいか、ほんのわずかなこの距離がなんとなくよそよそしく思える。
寂しくすら、感じられた。