連載「白銀の翼」07、08、短編「through a mirror」後編、
お題「沙織」を更新しました。
DTの松本さんが世界三大美男子を
「アラン・ドロン」「加藤剛」「ジョン・ローン」
だとしてるって話を聞いて、
アラン・ドロンも加藤剛もツボな私としては、
ジョン・ローンはどうなの?と思って色々漁ってみたところ。
ハマりそう……。
昔映画で観たときは全然何とも思わなかったということは、
好みが変わってきたということでしょうか!
ちなみに「ラスト・エンペラー」で溥儀の吹替を演られたのは、
初代直江の松橋さんらしいです。
い、因縁を感じる……。
そして、今回はちょっと控えめに!
□つづき□
橘義明の本日最後の跳躍が見事に決まり、陸上部の練習を見学していた数人の女生徒が歓声をあげた。
先日行われた地区予選で、早くもファンがついたらしい。
自分の部活動が早く終わってしまって待たされている奥村は、その様子を白い目で眺めている。
やがて着替えを終えて戻ってきた橘に、奥村は言った。
「お前、高跳び始めてまだ1ヶ月経ってないんだろ。このまま高校生チャンピオンにでもなってみろ。オリンピック目指せるんじゃないのか?」
面白そうに笑う奥村に橘は首を振った。
「県大会を通ったとしても、全国大会には出られないんだ。予定がある」
「は?」
訊くと何か用事があって、関西の方に行かなくてはいけないそうだ。
もうすでに同行者と予定をあわせて、休みの届けまで学校に提出済みだという。
「じゅあお前、県大は辞退するのか」
「まさか、試合にはでるさ」
もう今更出られないとは言えないらしい。
「精一杯やって、負けるんだ」
しれっという橘を奥村はありえない、といった眼で見つめた。
□ □ □
橘がカバンから取り出したものを見て、奥村はギョッとした。
大人の嗜好品、タバコだ。
「お前っ!……いつからだ、そんなもの」
「これ以上、背が伸びても困るからな」
慣れた様子で火を点ける橘の身長は、高校入学当時から止まることを知らず、
ついには先日185cmを超えてしまった。
吸うか?と聞かれて奥村は首を振る。
バレて停学なんてまっぴらだ。
橘は挙動不審にあたりを見回す奥村を見やりながら、
「どうしても我慢できないってほどじゃあないんだがな」
と、のんきに煙をふかしている。
「なら、せめて制服ではやめろよ。臭いで気付かれるぞ」
奥村が眼鏡の奥から睨みつけると、
「臭いを残すほど馬鹿じゃないさ」
そう言って不適に笑って見せた。
□ □ □
「おう、終わったか」
午後の始業時間ギリギリで戻ってきた橘は、奥村の後ろの自席についた。
この時期は、もう卒業だからとか、来年はもう受験だからとか、何かにつけて告白してくる子が多い。
中には一晩だけの思い出を……なんて思い切ったことを言ってくる子もいるそうだ。
「一回でいいって言ってるんなら、付き合ってあげたっていいと思うけどなあ……」
既に奥村は、橘の好みが年上の、しかもかなり狭い範囲に絞られていることを知っている。
いわゆる、"ゴージャス"な女性だ。
「歳が違うとそんなに違うか?」
そう訊く奥村に、歳の問題じゃない、と首を振った橘は、
「従順な人間を組み伏せて、何が楽しいんだ?」
逆に訊き返してきた。
「お前……相当ゆがんでるな……」
奥村は心底呆れるしかなかった。
すごい駄目な子になってしまった!
直江は禁欲的な中にどこかすさんだ感じがあるのが売り(?)なのに、
のびのびとしすぎてしまいました。
でも、みなぎわで奥村さんと一緒にいるときの直江は、
笑ったり困ったりですごく良いですよね。
今回は奥村さんの目立ちたがりな感じが出せなかったのが残念です。
あとよっくんの部活時、ランパンかスパッツっぽいやつか、興味津々です。
彼が女性を選ぶポイントは"後腐れがない"とかよりも、
"簡単には靡かない"だと思うんですけども!
そういう人を陥落させることに意味を感じていそうです。