忍者ブログ 不立悶字(ふりゅうもんじ)

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お題を更新
お題「破壊者」を更新しました。
高耶さんの自問自答、"自問"や"自答"の声が
直江だったら素敵だな、と思います。

それからどなたか、壊れたケータイを落とすと女神さまが出てきて、
「あなたが落としたのはこの最新型携帯電話ですか?」
とか聞いてくれる泉の在りかを知りませんか^^;
実はケータイが壊れてしまって、
某D社のパンフを見るのが日課となっているのです。
どっかに防水で、ワンセグみれて、カメラが素晴らしくて、
MP3聞けて、電池長持ちで、動作早くて、感圧式タッチパネルで、
QWERTYキーボード付きで、オフィスファイル編集できて、
SPモード対応のスマートフォン、落ちてないですか……ね……。

ではでは、今回は原作初期設定のおまけです!
つづき
 梅雨の名残のようなうっとおしい雨を降らせている今日の空は、朝からずっと暗いままだ。
 同じく今朝から、高耶の顔色が冴えない。
 話しかけても、浮かない返事ばかり。
 察するに、昨晩あたりにまた父親と何かトラブルでもあったんだと思うけど、どうせ聞いたって話してくれない。
 こんなときは元の調子に戻るまで根気よく話しかけ続けるしかないことを、譲はよく解っていた。
「今日バイトは?」
「……休み」
「俺も部活ないからさ、どっかいこうよ」
「ええ?雨降ってんぜ」
「だから何」
「だるくねえ?」
「だるくないよ!」
「………あっそ」
「それに午後から止むらしいよ、雨」
「ふうん……」
 ぼけっとした顔の高耶に、
「決まり」
と譲は強引に約束を取り付けた。
 これで○ックにでも行って、ふたりでダラダラ喋りでもすれば、きっと高耶の気分が晴れるだろう。
 そう思って頷いていると、
「直江が来るような気がする」
 高耶はぽつりと言った。
「直江さん?何で?用事あるって?」
「そーじゃねーけど………なんとなく。こんな日は」
「?」
 "こんな日"の意味がわからなくて、譲は首を傾げた。

  □ □ □

 天気予報通り、雨は下校時刻までにはすっかり止んでいた。
 けれど空気中に残った水分が、まる霧雨のように肌をジットリと湿らせる。
 ふたりが並んで校門を出て少し歩いたところで、ふと高耶の足が止まった。
「ほらな」
 得意気な声で言った高耶の視線の先には、譲にも見覚えのある乗用車が停まっている。
 その傍らに立っていた人物がこちらに気付いて、声を掛けてきた。
「こんにちは」
「直江さん……」
 直江は掛けていたサングラスを外すと、眩しそうに目を細める。
「駅まで送れよ」
 高耶は、直江がやって来た事情も何も聞かないうちからそう言った。
 けれど直江も、
「いいですよ」
 それが当たり前のように頷いている。
「譲さんも、どうぞ」
 高耶がさっさと車に乗り込んでしまうと、直江は譲のためにドアを開けて促してくれた。
「けど、高耶に用事があったんじゃ……」
「いえ、いいんです」
「………」
 譲が納得のいかない顔でいると、
「昨日の晩」
 直江は声をひそめた。
「呼ばれた気がしたんです」
「……高耶に?」
「ええ」
 直江はその顔に苦笑を浮かべる。
「本人に言ったところで、否定されるだけでしょうけど」

  □ □ □

 冷房の効いた車内の空気は、カラッと乾いていて心地がよかった。
 出発するなり、後部座席の高耶は運転席側に身を乗り出す。
「で、今日はどこの女んとこ?」
 譲が目を丸くしていると
「こいつ、全国各地に女がいんだって」
と意地悪い笑みで高耶が言った。
「渡り歩いてるらしいぜ」
「高耶さん……。長秀なんかの言うことを真に受けちゃ駄目ですよ」
「ねーさんも言ってた」
「………晴家め」
 そうは言いながら、ふたりともネタとして話している雰囲気だ。
「まあ、どこの女だっていーけどさ。刺されんぜ、いつか」
「いいですね。男冥利に尽きます」
「言ってろよ」
 高耶は先程までの暗さはどこへやらで、けらけらと笑っている。
(すごいなあ……)
 へそを曲げている時の高耶は譲でも扱いに困る事があるのに、直江は現れただけでその心を解してしまった。
 従兄弟というから、やはりそこは血の繋がりがあるせいだろうか。
(俺も高耶の親戚だったらよかったのに)
 車は、あっという間に駅近くまでやってきて、
「どこにつけます?」
「どこでもいい。そこらへんで」
 高耶の言う通り、直江は駅前からは少し離れた場所で車を停めた。
「すぐ帰んの?」
「ええ。東京に戻らなければならないので」
「そっか」
──譲さん」
 車を降りた譲に、直江が真面目な顔で声を掛けてきた。
「周囲でおかしなことがあったら、いつでも連絡してください」
「……ありがとう」
 譲が頷くと、
「平気だって。オレがついてる」
 高耶が妙に自信たっぷりでそう言った。
 それを聞いた譲の脳裏に、とある言葉が蘇る。
───そばにいてあげてください。
 直江との間で交わされた、約束事。
 この言葉を思い出す度、自分と同じように高耶を心配してくれる人がいるのだと思って嬉しくなる。
 直江と顔を見合わせた譲が思わず笑い声を漏らすと、
「なに?なんだよ」
 高耶が不満げな声をあげた。



書いた後で、確認のために一巻パラパラしてみたら、
直江ってば譲くんに「あなたのそばにいますから」とか言ってる……。
千秋先輩が現れなかったら、自分が張り付くつもりだったんでしょうか。
城北高校の教師として松本に移住……とか?
はは、高校教師^^;
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