やっとおまけをまとめました~><
あと、9月分のweb拍手テキストもアップしました!
最近、仕事に時間を取られっぱなしで……、
だからおまけもこんなんになりました><
パラレルのEN設定です!
□つづき□
「義明、これな」
事前に電話で聞かされていた案件の資料を兄から手渡されて、直江は深くため息を吐いた。
「これ以上顧客を増やしてどうするんですか」
橘不動産東京事務所は今ある案件だけで既に手一杯なのだが、貪欲な兄にとってはまだまだ物足りないらしい。
「いいじゃないか。人が足りないなら入れなさい」
「はあ」
松本在住の高校生を長期休暇の間だけアルバイトで……と喉まで出掛かったが、辛うじてこらえた。さすがにそれは時期尚早だろう。焦ってはいけない。
「義明」
「はい」
「人を入れるのは構わんがな、手をつけるのは駄目だぞ」
「………そんなことはしませんよ」
何でわかったんだろうと思いつつ、冷静な顔で否定する。
「特に最近はうるさいからな」
「セクハラですか」
「パワハラも、ブラハラもだ。労働局からの呼び出しなんて、ごめんだぞ」
「………………」
これだけしつこく言うということは………。
(呼び出されたんだな)
過去に、具体的な何かがあったに違いない。
「社長とは違いますよ」
そう言ったら、生意気な口を聞くなと本気で怒られてしまった。
□ □ □
兄が、東京へ来るたびに夜遊びをするのは、情報収集のためだ。
日に何軒も小料理屋やらクラブやらをハシゴして、某デベロッパーの営業がどこそこの地元有力者を連れてきただとか、都内に大型敷地を所有する企業の幹部が不動産関係者と派手に飲み歩いているとか、不動産系のマーケティング会社の社員が目をつけている場所だとか、そういった細かい情報を根気よく集めてくる。
だから、兄が次はここだと指差した場所は必ず再開発の対象となって、大型商業施設や高層マンションやらが立ち並ぶこととなるのだ。直江たち部下はその情報を元に業務を展開している訳だから、それは橘不動産の命と言っていい。
しかし………。
「社長、マスミさんという女性からお電話です」
「社長、新宿のモモさん、2番です」
「しゃちょ~、ルリちゃんって子が泣きながら掛けてきてますけど~」
………こんな状況はさすがに困る。
「せめて、携帯で連絡を取って貰えませんか」
「携帯はカミさんのチェックが厳しくってな」
すまんな、と言いながら、照弘はヨウコさんという女性の電話を嬉しそうに取った。
□ □ □
「ええ~、弟さんなんですか~」
「え!まだ20代!?若いわね~!」
女性たちの歓声に、何故か兄は満足気に笑っている。
「いい男だろう。こいつをオトせたら、大したもんだぞ~」
「……兄さん。何煽ってるんですか」
「そう言われると、チャレンジしたくなっちゃう」
直江の隣に座る女性はそう言うと、腕に大きな胸を押しつけてきた。
「お酒、濃いめにしちゃいましょうね」
「こいつはなあ、酔っても崩れんぞ~」
「そうはいったって、誰にでも限界ってものはありますから。ねえ?」
「はあ……」
「それがなあ、こいつはどんなに酔ってもしれっとした顔で帰っていくからなあ」
「あはは、社長さんとは正反対ですね!」
「そうだなあ、こいつがほんとに俺の弟なのか疑いたくなるよ」
などと言いだす照弘を軽く睨みながら、直江は水割りのコップに口をつけて傾けた。
「……ただいまです」
「おう。思ったより早かっ───!?」
「高耶さん。兄に連れだされても、早く帰れる方法がわかりましたよ」
「おまっ──酒くさっ!っていうか、どこさわ……っ……!」
「いつもより飲むペースを速くして、気分が悪くなった振りをすればいいんです」
「………ぁ……ッ……直江ッ!」
「アルコールというのは不思議ですね。感情を増幅させる効果がある。途中から、あなたが恋しくて死にそうでした」
「───んっ………メシ……と風呂……」
「あなたがいい………」
「…あッ………なお……え……っ」
結局、飲みの話になっちゃった><
ちなみに男の人って、酔っ払っても大丈夫な人は大丈夫らしいです(何が)^^
不動産の世界ってハデーなイメージがあるけど、
実際は違うんでしょうね^^;