今までのミラージュピンク(と勝手に命名)から、
ミラージュブルー(やっぱり勝手に命名)に変わりました!
全体的な色味も微妙に変えて、少々涼しげに。
これで少しは眼に優しいサイトになったでしょうか^^;
ついでにTOP絵もリンクバナーも変えたくなったので、
大急ぎで描きました。
そしてそこで、力尽きました><
web拍手、いつもいつもありがとうございます!!!
本当に本当に、ありがとうございます!!!
誤字脱字のご指摘とか、本当に助かります><
今月のお礼テキストは、久々に読みやすい感じに仕上がりました~^^;
そして、とうとう新刊(とはもう呼べない?)とコバルト五月号と、
総集編インタビューを読みましたあ~~~!!大正!大正!
思うところは様々あったんですが、衝撃的な事実がひとつ。
直江って川中島参加してないんじゃん;;!!
え~~、だって一巻で自分もその場にいたようなこと言ってたじゃん。。。
………ま、いっか^^!
ということで、高耶さんの誕生日記念小説、注釈入れときました^^;
おまけは、原作初期設定です!
□つづき□
「仰木ぃ、お前どうすんの」
「何が」
「進路だよ、進路」
矢崎が身を乗り出して聞いてきた。
「夏休み明けに聞かれるらしいぜ、どうすんのか」
「へぇ……」
「俺、東京いこっかなあ」
「は?店は?」
「うーん……ちょっと、な」
言葉を濁してから、矢崎は譲に話を振った。
「成田は地元だろ」
松本には有名な歯科大学があるのだ。
「まだわかんないよー」
譲が首を傾げながら答える。
「でも東京とか関西の学校も、一通り調べてあるよ」
「ああ……関西でもいいかなあ」
矢崎はどうしても家を出るつもりでいるらしい。
高耶だって卒業したら、松本なんかには居たくない。
就職するなら、都会がいいと思う。
けど、美弥をひとりにするわけにもいかないし……。
「あ、今日信州食堂サービスデーじゃねえ?」
考え込んでいたはずの矢崎が、なんの脈絡もなく言った。
「ほんとだ。火曜だ。寄ってく?」
すぐに話題をそちらへ移してしまったふたりをみながら、今度は高耶が考え込む番だった。
□ □ □
「就職なんてできるわけねーだろ」
千秋は眼鏡の奥から呆れた視線を送って寄こした。
「何で」
「まともなとこで働いちまったら、調伏旅行なんて出来なくなるだろうが」
確かに、言われてみればそうだ。
「ねーさんは卒業したらどうするつもりなんだ?」
「親には就職したって暗示かけて、家でんだろ」
「ふうん……」
「お前も家は出ろよ」
「……無理だ。美弥をひとりにはできない」
「親父さんがいんだろーが。不規則な生活につき合わせるほうが、カワイそうだぜ?」
「……………」
千秋にしてはまともな意見だったから、高耶は黙るしかなかった。
□ □ □
「いいなあ、おまえは」
何かの報告だとかいって電話をかけてきた直江に、高耶はそう言った。
『何の話です』
「遊び歩いてて、親に文句言われねえ?」
『遊んでるわけではないですが………。まあ、文句は散々言われてますよ」
「ってことは暗示、使ってないんだ」
『ええ』
こだわりがあるらしい。
自分も、絶対に使いたくない。
だけど……不安は募るばかりだ。
『何かあったんですか?』
高耶は直江に、一連の事情を話してみた。すると、
『まだあと一年以上もあるでしょう』
直江は何でもないことのように言った。
『ゆっくり、準備をしていけばいいんですよ』
「……そうかな」
『ええ。あなたの希望に沿えるよう、私も協力しますから』
直江の言葉には、常套文句とか、高耶をこの場だけ納得させるためとか、そういった嘘の響きはなかった。高耶はそういったウソには鼻が利くからよくわかる。直江は本気でそう思っている。
だってそうだ。
今まで高耶が付き合ってきた大人たちとは違う。彼らは……例えば教師や、同級生の親なんかは、一時だけの付き合いであることが大前提だった。
でも直江と高耶は、下手したら一生、付き合っていくことになる。高耶の進路問題は、直江の今後の問題でもあるのだ。
一年後の予想はまったくつかなかったけど、直江が変わらず一緒にいることだけは確かだった。だったら直江の言うとおり、一緒に少しずつ考えていけばいい。
高耶は、進路のことは頭の隅へと押しやって、しばらく寝かせておくことにきめた。