連載「undiscovered exploit」11、12、「山眠る」01、
短編「onliest」を更新しました。
連載、完結するはずだったのになあ……。
関西弁っぽいセリフは調べもせずに雰囲気で書いちゃいました。てへ……。
そして次の連載はまたしても隼人くんが出てくるので、今月は兵頭月間ですね。
やきもちやいて貰ってばっかですが。
昔は隼人くんも小太ちゃんもあまり好きじゃなかったけど、今は好きです。
特に小太ちゃんは完結後の直江との関係とかすごく妄想します。
隼人くんは直江との身長差にもえます!
直江を(ちょっとだけだけど)見上げる隼人くんはかわいい♪
上目遣いだったらもっとかわいい♪
そ・し・て!
□つづき□
今日の日替わり定食は、トンカツに肉じゃがまでついていたらしい。
会議終了後、顔見知りの隊士が嬉しそうに話していた。
昨日、直江の隊の活躍で、ここしばらく続いていた宿毛周辺の小競り合いに決着がついたのだ。
その勝利記念でおかずを豪華にしてくれたらしい。
宿毛の日替わり定食といえば、足摺の連中が海上を見廻るついでに獲ってきた魚介類や、赤鯨衆の持ち畑で採れた野菜など、肉のあまり使われていないものが多い。
とはいえ直江はそれすらあまり口にしたことがなかった。
食堂へ行くのは大抵夜中になってからだから、日替わりなんてとっくに売り切れていて、翌朝の物資配送が来ない限り、注文は限られたものしか頼めない。
「あ、橘さん、お疲れ様です」
カウンター越しに、何にします?と訊いてきた夜番の食堂員に、なんでもいいと言って
席に着いた。どうせいつも残り物を寄せ集めた、似たようなメニューなのだ。
しかも昼間はすぐに出てくる料理も、夜中は下ごしらえなどで時間が掛かる。
ところが。
「はい、どうぞ」
「……………」
しばらく経って、わざわざ席まで持って来てくれたお膳には、しっかりトンカツと肉じゃがが乗っていた。
意外に思って顔を見ると、なじみのその食堂員はにっこり笑った。
「うまいっすよ」
わざわざ取っておいてくれたらしい。
「ありがとう」
礼を言って受け取ると、なんだか嬉しそうに戻っていった。
彼は現代霊だ。
もともと前線に出ていたのだが、念動力があまり上手ではなく、今は外されてしまっている。
しかしそのうちにまた復帰するつもりで、毎日の訓練は欠かしていないのだそうだ。
戦場で会う日も近いかもしれない。
噛み砕いたトンカツは、サクサクの衣に肉も柔らかく、とても美味しいものだった。
直江に憧れる子がいたっていいじゃないかあ♪
隠しておいたトンカツを取り出してきて揚げる姿はとってもけなげ。
そんで直江が共同浴場とかに入っていくのを見計らって自分も入って行き、
交流を深めるのです。
そのことが何故か高耶さんの耳に入り、高耶さんは内心ムムッとかって思うけど、
顔には出さないで直江をチクチクいじめたりするんです。
ここは、欲しいものを伝えると必ず手に入るという、最近話題の神社だ。
ちょっとした調査で訪れたふたりは、拝殿の前で立ち止まった。
「お参りだけでもしていきましょうか」
「……いいけど、別に今欲しいもんとかねーし」
そう言いつつも、賽銭箱の前に立つ。
「ほんとに欲しいんなら、神頼みとかしちゃ駄目じゃね?」
「日常が少し潤うような、簡単なものでいいんですよ」
という言葉で誤魔化しながら、横に並んだ直江は心の中ではしっかり高耶の
名前を唱えつつ、拝礼の手順を踏んだ。
ところが直江が壇を下りてからも、高耶はなかなか思いつかないようだ。
結局、
「"うまいメシ"にする」
と言って礼を始めた。
直江は思わず笑ってしまう。
「あなたの優先順位はいつだって胃袋が一番なんですね」
まるで子供がするように、思いっきし鈴をかき鳴らしてから戻ってきた
高耶にそう言うと、
「胃じゃなくって舌って言えよ」
と笑って返された。
餌付けの効果があらわれてきた感じで♪