「何描いてるんですか」
高耶が手元のメモ用紙に落書きを始めた。
「○ッキー」
「ミッ○ー?」
どうみても、あのかわいらしいネズミのマスコットには見えない。
「……上手ですね」
と言ったらイヤミに取られたようで、高耶は無言で紙を丸めて捨ててしまった。
「本当ですよ」
「……いいよ、もう」
その後しばらく、高耶は口は尖らせていた。
□ □ □
「何描いてんだよ」
直江が手元のメモ用紙に何かを描いている。
「○ッキーですよ」
「ミッ○ー?」
(う、うまい……)
誰がみても、あのかわいらしいネズミのマスコットだと言うだろう。
「……うまいじゃん」
「でしょう?」
描きあげた直江は、はい、と高耶に紙を渡してきた。
「いらねえよ」
「……じゃあ、何故描いてたんです」
「落書きに意味なんかねーだろ」
と言ったら、難しいひとですねえ、と首を傾げられた。
高耶さん、絵は苦手なんですよね?
バラエティ番組でよくある画伯的なものを想像してみたんですが……。
こんな感じ。ここまでじゃないですかね……。