お題「還らない」を更新しました!
よく解らないかもしれませんが、20巻直後となります^^;
それから、web拍手、ほんとにほんとにほんとに、
ありがとうございます~~~;;
元気のミナモトです~~~;;ううう、恩返しが出来なくてすみません;;
ではでは、おまけはパラレル・ENシリーズの設定です~っ!
□つづき□
(腹へったな……)
ベッドに仰向けになって寝転んでいた高耶がぼんやりそう思っていると、
「お腹空きました?」
直江がそう言って、高耶の隣に腰掛けてきた。
シャワーを浴びてきたばかりで髪が濡れている。
「ん」
「じゃあ服を着てください。どこかに食べに行きましょう」
実は高耶も一緒に風呂から出たばかりで、まだ服を着ていなかった。
起き上がりつつも面倒くさいなあ、と顔をしかめたところで、名案が思いつく。
「なあ、おまえのつくったもんが食べたい」
「ええ?」
高耶が仕込んだかいがあって、直江の料理の腕前は随分と上達していた。
(それでもまだまだ、甘いけどな)
「オムライスが食いてーな」
「材料、あります?」
「卵もあるし、ピラフが冷凍庫に入ってる」
「……わかりました」
仕方ないですね、と直江は立ち上がった。
「卵は半熟な」
「はいはい」
「"はい"は一回!」
直江が部屋を出て行って、高耶はふたたび仰向けに寝転んだ。
料理が出来るまでひと眠りしよう。そう決めて、瞳を閉じる。
あまりに気分が良くて、高耶の顔には自然と笑顔が浮かんでいた。
□ □ □
「うまい」
やっと服を着た高耶は、直江の作ったオムライスをひとくち食べて、そう言った。
「でしょう」
なんせ出来合いのパスタソースを利用したオリジナルのソースまでかけてやったのだ。
「ご褒美」
高耶はスプーンでひとくち分をすくうと、直江に差し出してきた。
「……ありがとうございます」
自分で作ったんだけども、と思いつつ、ありがたく頂くことにする。
「レストランでもやるか。オレとおまえで厨房入って、ねーさんと千秋に接客させて」
「夜叉衆レストランですか。何だか招かざる客が多そうですね……」
特に高坂あたり、いの一番に顔を出しそうだ。
「闇戦国関係者お断りって看板、出しとこうな」
高耶は既に怒ったような顔になって、そう言った。
□ □ □
オムライスをきれいに平らげた高耶が、その皿を洗っていると、
「高耶さん」
直江が背後から纏わりついてくる。
「ご褒美をくれるのなら、もっと違うものがいいんですけど」
「んー…?ほねっこ、買ってあったかな」
「……犬じゃないんですから」
一瞬、眉を引き攣らせた直江だったが、すぐに気を取り直して、
「ヒト科の成人男子が欲しがるもの。わかるでしょう」
再び猫なで声を出してくる。
「……おまえのは普通、成人男子は欲しがらねーよ」
「欲しがりますよ。誰もが欲しがってる」
直江は高耶の髪に頬をこすりつけた。
「それを貰える私は幸せ者ですねぇ」
「まだやるって言ってないけど?」
「またまた」
圧し掛かってくる直江を押し遣りながら、高耶の頭の中には"ナオエ科"という言葉が浮かんでいた。
直江、高耶さんと一緒にお風呂は入んないとか頑なに言ってましたが、
主従だからとかじゃなく、催してしまうから嫌がってただけですよねえ?