久しぶりの更新だったのに、たくさんの拍手をありがとうございます;;
本当に嬉しいので、次回更新予定だったTOP絵とバナー2種を、
フライング更新しちゃいます。少しでも雰囲気が変われば!
TOP絵は四国編のイメージなのですが、ちょっと暗いですね^^;
もうちょっと明るくしようかな?
絵は、たまに描くと息抜きになっていいですねえ♪
前回の更新、書き方が悪かったですが、
傷心というよりはすっきり心機一転という感じなので、
元気はいっぱいです!
余計なご心配をおかけいたしまして、すみません;;
では、おまけを一個だけ。
原作は読み返さずに書いたので、ちょっと行き違う部分があるかもしれませんが、
一応5.5巻の直前という感じで!
□つづき□
助手席で目を覚ました高耶は、思わず目を瞬いた。
何故か直江が、身体の上に覆い被さっている。
「───シートを倒そうと思っただけでっ」
何も聞いてないのに、直江は言い訳のようにそう言った。
「……あっそ」
自分でシートを倒した高耶は、すっかり眠る体勢になって運転席を眺めた。
斜め後ろから見る直江は、どんな表情をしているのかよくわからない。
そのうちに、何ともいえない感情がこみ上げてきた。
直江といると、時々こうなることがある。
これは自分のものだろうか?
それとも、景虎のものなのだろうか?
「直江」
「はい?」
「ありがとうな」
高耶の唐突の謝辞に、直江は少し戸惑ったようだ。
「礼を言われるようなことは何も」
「こんなくそガキ、付き合いきれないって、思うときあるだろ」
何にも覚えておらず、無責任な自分。
全てを一から教えるというのは、ものすごく根気のいることだろうに、直江は皮肉こそ言え、千秋のように悪態をついたりはしない。
「……使命ですから」
「そりゃあ、そうだけど」
(それだけじゃないだろう?)
それくらい、わかる。
もし記憶を無くしたのが綾子や千秋だったら、直江はここまでしただろうか。
総大将だからとか、そういうんじゃなく。
(景虎とおまえが、それだけ強い繋がりを持ってたってことだろ)
ふたりのことを考えるとき、高耶は自分だけ置いてけぼりにされたような気持ちになる。
誰も何も言わずとも、強い絆を感じ取れるからだ。
直江がそこまで大切にするものを、何故景虎は忘れてしまったんだろう。
「……ごめんな」
「何がです」
「思い出してやれなくて」
「………高耶さん」
直江の声が、驚きの色を含む。
「おまえとのことだけ、思いさせたらいいのにな」
心の底から、そう思った。
そうしたらきっと、直江も喜ぶし、自分もきっと自分のままでいられる。
「そうできたら……いいのに……」
高耶は、急激に襲ってきた睡魔に任せて目を閉じた。
空調の効いた車内で、快適な眠りに落ちていく。
そのせいで、ステアリングを握る直江の拳の白さに、気付くことは出来なかった。
原作に、シートを倒してあげるシーンなんてなかったですよね……?
ちゃんと読み返さないと、妄想なのかほんとにあったシーンなのか、
危うくなるときがあります^^;