忍者ブログ 不立悶字(ふりゅうもんじ)

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短編、web拍手を更新
長らくの放置、大変申し訳ございませんっ!
1日1話更新があったとはいえ、こんな事態になるとは;;

とりあえず、短編とweb拍手を更新しました。
3日に、よっくんのお祝いらしいこと、何もしてあげられなかったので、
一夜漬け(?)で短編だけ……;;
時間軸、めちゃくちゃですが、一応原作設定です。
そして、web拍手は完結後の直江への手紙のイメージで。
これも駆け足で……すみません;;

それから突然のご報告ですが、ONEWAYの狗飼さまと、
サークルを立ち上げました!
NEXT HEIGHTS
パスワードはふたりの誕生日です。
自サイト更新できない身で怒られてしまいそうですが、
今後はこちらのサイトでも活動予定です!


さてさて、あまりに時間が空きすぎて、何からお話ししていいやらですが、
まず、更新の止まっていた原因など。。。
当たり前だと思っていたことが、
当たり前じゃなくなる瞬間を体験したというんでしょうか。
ものすごく私事で恐縮なのですが、
長らく一緒に暮らしていたパートナーとの関係にピリオドを打ち、
現在勤めている職場の経営危機を、どうにかこうにか乗り越えました;;
正直職場のほうはまだバタバタしていて残業続きではありますが、
所詮いち事務員の私に何かができるわけでもありませんしね。。。
そろそろ毎週更新を再開したい!
………という意欲だけはありますが、中々時間が追いつかないかもしれません;;
総集編もコバルトも新刊も、何も読めておりませんしっ。

いや、でも、人生って大きいことは立て続けに起こるものなんですかねえ。
もしかしたらこれは、私が今年28歳を迎えることに、
何か関係があるのではないかと思ったりしております。
確か28歳の五月頃でしたよねえ?
どっかの誰かさんが成田歯科医院に不法侵入したのは^^
私にもこの先、怒涛の5年間が待っているのでしょうかっ。

ではでは、言い訳はこれくらいにして^^;、
初心に還って原作設定のおまけです!

つづき
 バイクが置き去りになってしまうことに若干抵抗を覚えつつ、高耶は言われるがまま、セフィーロへと乗り込んだ。
 やや遅れて、高耶には事情を知る"義務"があるのだと言い切った男が運転席へと座る。
 静かに発進した車内は、煙草の匂いがした。
 何も言わずに手のひらを差し出すと、男は運転中にも関わらず疑問顔で高耶の顔を見つめた。
 くれよ、とばかりに灰皿をコツコツと叩く。
「未成年でしょう。駄目ですよ」
 癖なのか、男は年下の高耶に対しても敬語を織り交ぜながら答える。
「頭、カタいのな」
 仕方なく高耶が手を引っ込めると、
「……それでよく、あなたに怒られましたよ」
 男は小さく笑った。
 出会ったばかりなのに"よく怒られた"訳がないのだが、その顔は妙に嬉しそうだ。
(………なんだ)
 とっつきにくさが薄らいで、若干の親近感が沸いた。
 そのせいなのか、男の充分に安定したハンドル捌きのおかげなのか、行く先もわからない初めての車内で、高耶は不安を感じずに過ごすことが出来た。

 □ □ □

(午後二時……不開門……)
 今日は時間が経つのが遅い。
 頬杖をついた高耶がぼけーっとしていると、飛んできたチョークがスコーンとおでこに命中した。
───っ痛」
「恋かね、仰木君」
 チョークを投げた主は、休みの教師の代わりに再び教壇に立っている千秋だ。
「先程からため息ばかりだねぇ」
 こんなにいきいきとしている千秋は見たことがない
「ちゃんと聞いてて貰わなきゃ困るなぁ。テストでるよぉ、ここはぁ」
「………はい」
 小さな声で返事をすると、千秋は満足げに教壇へと戻っていった。
 再び高耶も思考が戻っていく。
 開崎は、江の島で会った時とは少し雰囲気が違っているように思えた。
 雪の日の朝の、あの無音の世界に似ていると思った。
 あの景色を見ていると、世界の終わりと始まりを目撃しているような気になってくる。
 感動を覚える傍ら、真摯な気持ちにもなるのだ。
 自分の存在や在り方を問われているような……。
「おうぎっ!」
 掛け声とともに再び飛んできた雪と同じ色のチョークを、今度は手のひらで受け止めた。

 □ □ □

「隊長?」
 ついさっきまで、バリバリと山積みの書類を片付けていた高耶が、気がつくと窓の外をぼんやりと眺めている。
「屋上に行く」
「はい?」
 突如ダッシュで部屋を後にした高耶を追って、大急ぎで階段を駆け上がり、屋上へ出てみると。
─────
 沈みかけた太陽が、空を真っ赤に染めていた。
 その色は炎が燃え立つようで、胸に迫るものがある。
 高耶の傍らに並んで立った直江の心の内で、いつかの光景が想い返された。
「昔、やはり日没をみて感動したことがありました」
 まだあの日から、数年しか経っていないことが、、信じられない思いだった。
「まるで、あなたを想う気持ちのようだと」
 あの時は、心の底からそう思ったのだ。
 しかし、高耶からの返事はなかった。
 その横顔は、眼の前の景色を必死に心に刻み込もうとしているように見える。
 だから直江も、その赤い色を脳裏へと焼き付けた。
 やがて、太陽が半分以上も山の後ろに隠れた頃になって、
「認識を改めろ」
 くるりと踵を返して、高耶は屋上の扉へと歩き始めた。
 おこがましいと怒られるのかと思ったら、
「おまえのは、こんなんじゃきかない」
 真逆の答えが返ってきた。
「………景虎様」
 背後で、扉の閉まる音がする。
 続いて階段を駆け下りていく靴音がした。
 すでに太陽は、完全に山向こうに隠れてしまっている。
 直江も苦笑いで、暗さの増した屋上を後にした。



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